院長の原稿が掲載されています。

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デンタルダイヤモンド 2015年2月号
~祖母の長寿と健康の秘訣~

9月15日
祖母が今年で100歳になった。百賀、百寿、上寿 紀寿と百歳の祝いの言葉はさまざまあるのだが、一世紀を生きていることになる。
祖母は大正3年5月25日生まれで一人で新宿に住んでいる。
内閣総理大臣と東京都知事からそれぞれ表彰状と記念品が送られてきた。
老人福祉法というのがあり9月15日の「老人の日」にふさわしい事業として国と都が実施しているそうだ。
新宿区長の中山弘子さんは直接訪問してくださりお祝いをいただいていた。
新宿区は100歳以上の方が161名ご健在であり、このうち中山区長さんは41名の方の訪問をされたそうである。ちなみに百歳以上の方の人数が多くなり、来年からは訪問はしなくなるそうだ。日本全国では百歳以上の人口は5万8820人でこのうち女性が9割近くを占めている。(女性5万1234人、男性7586人)
女性は2年連続世界1位とすばらしい長寿の国である。我々歯科医も今後この長寿を維持する為に、口腔ケアにいかにかかわるかが重要な課題であろう。
そして長寿も喜ばしいことであるが「健康寿命」(日常生活に制限のない期間)をいかに延ばすかとなると、第一に適度な運動があげられると思うが、食事に関しても大きな役割を担っていることは言うまでもないことである。
祖母は一人で住んでいると言っても、長男である叔父やその家族、また私の母が交替で食時や身の回りの世話をしている。
几帳面で真面目な叔父と母には畏敬の念を抱くほど祖母の身の回りのことを丁寧に行っている。家族のサポートも長寿には必須である。
現在の祖母の口腔内は下顎の前歯と小臼歯2本が健在である。そして、上下ともに義歯を装着している。
祖母は食事や入浴、トイレ、着替えも自分で行っている。また、よく話、よく笑う。たまに私が訪問すると、適切な助言もくれる。
日々の診療で患者によく言われる言葉で「この歯は、あと何年かしか使わないだろうから」とよく言われるが、そのたびに様々な返答をしていた。特に団塊の世代を越えた方々には「歯の寿命は平均60年くらいなんですけどもメインテナンス次第では延ばせるんですよ。」などありきたりな返答であったが私の今年からの返答のバリエーションのひとつに「うちの祖母は100歳なんですけども、自分の歯があり、自分で食事をしています。そしてよく食べます。まだ呆けてもいませんよ」いままで様々な言葉で歯の重要さ、咬むことの大切さを説明してきたが、100歳で歯があり、食事をし、咬んでいることが1番患者に説得力があるように思われた。
皆さん「えーっ」と驚いてくださる。
実際、祖母はよく食べているときほど、よくしゃべる。「脳に血液がギュウギュウっと循環したんだなっと。」
思いながら祖母の話を聞いていることがある。
祖母の好物のひとつである食べ物に鮭がある。最近化粧品などにも多く使われている「アスタキサンチン」が多く含まれているそうだ。トマトに多く含まれるリコピンやにんじんのβカロテンと同様のカロテノイドの一種で赤い色素に抗酸化力があり脳内の活性酸素を除去しボケ防止に一役買っているそうだ。イクラも同様にアスタキサンチンを多く含むそうで、この話を祖母にすると「だから、おばあちゃんはぼけないんだね」っと言って、お腹いっぱいでご馳走様をしていた祖母がパクッとイクラの寿司をほうばった。本当に良く食べる。
最近ブームのようにアスタキサンチンが取り沙汰されているが祖母の大好物が鮭であるため、アスタキサンチンブームにも納得してしまう。
アスタキサンチンのサプリも多種ありとても手軽で便利であるが本物の食品を自ら咀嚼し摂取することで効果が何倍も違うのではないかと思うのである。

2015年03月06日